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電気通信主任技術者試験 過去問解説 第3回

電気通信事業法の「業務の改善命令」など



電気通信
システム
伝送交換設備
及び設備管理
線路設備
及び設備管理
伝送 無線 交換 データ
通信
通信
電力
通信
線路
通信
土木
水底
線路

◆問題

平成27年度第1回(2015年7月実施)電気通信主任技術者試験の「法規」の問1 (3)の過去問です。

今回で、設備、専門、法規の3科目がそろいます。(現在、弊社では「電気通信システム」は、 開講しておりません。) 試験を翌日1月24日に控えての、突貫作業での土曜日朝イチ掲載です。 少しでも、お役に立てられる情報をお届けしたいと、考えております。

出題は、下のとおりです。アンダーラインの部分の(ウ)に適した番号を選ぶ問題です。

電気通信事業法に規定する「業務の改善命令」、「電気通信主任技術者」、「事業の休止及び廃止 並びに法人の解散」又は「電気通信設備の維持」について述べた次の文章のうち、 正しいものは、(ウ)である。

 ①

総務大臣は、 事故により電気通信役務の提供に支障が生ずるおそれがある場合に電気通信事業者が その支障を予知し回避する行為その他の措置を速やかに行わないと認めるときは、 電気通信事業者に対し、利用者の利益又は公共の利益を確保するために必要な限度において、 業務の方法の改善その他の措置をとるべきことを命ずることができる。

 ②

電気通信事業者は、 事業用電気通信設備を技術基準に適合するように維持するため、総務省令で定めるところにより、 電気通信主任技術者資格者証の交付を受けている者のうちから、 電気通信主任技術者を選任しなければならない。ただし、 その事業用電気通信設備が小規模である場合その他の総務省令で定める場合は、この限りでない。

 ③

電気通信事業者は、 電気通信事業の全部又は一部を休止し、又は廃止したときは、遅滞なく、その旨を総務大臣に届け出なければならない。

 ④

電気通信回線設備を設置する電気通信事業者は、 その電気通信事業の用に供する電気通信設備 (その損壊又は故障等による利用者の利益に及ぼす影響が軽微なものとして 総務省令で定めるものを除く。)を総務省令で定める機器仕様を満足するように維持しなければならない。

◆解答

正しいものは、③です。

◆解説

◇概要

電気通信事業法からの出題です。「法規」科目についての 出題傾向をご覧いただくとわかりますが、電気通信事業法とその施行規則は、 事業用電気通信設備規則に次いで出題比率の多い法令です。

小問の出題形式は、大ざっぱに2種類に分けられます。 ひとつは、小問全体がひとつのテーマで関連しているものです。すべての選択肢が、 同じ第××条から出題されているケースが該当します。 もう一方は、選択肢ごとのテーマの関連性が薄いものです。選択肢が、別々の 第××条から出題されているケースが該当します。今回は、後者のケースです。

◇選択肢①の解説

選択肢①は、電気通信事業法 第二十九条 第一項 第八号からの出題です。 正しい条文は、以下のようになります。アンダーライン部分が、誤っていた部分です。

総務大臣は、事故により電気通信役務の提供に 支障が生じている場合に電気通信事業者がその支障を除去するために必要な 修理その他の措置を速やかに行わないときは、電気通信事業者に対し、 利用者の利益又は公共の利益を確保するために必要な限度において、 業務の方法の改善その他の措置をとるべきことを命ずることができる。

◇選択肢②の解説

選択肢②は、電気通信事業法 第四十五条 第一項からの出題です。 正しい条文は、以下のようになります。アンダーライン部分が、誤っていた部分です。

電気通信事業者は、事業用電気通信設備の工事、 維持及び運用に関する事項を監督させるため、総務省令で定めるところにより、 電気通信主任技術者資格者証の交付を受けている者のうちから、 電気通信主任技術者を選任しなければならない。ただし、その事業用電気通信設備が 小規模である場合その他の総務省令で定める場合は、この限りでない。

◇選択肢③の解説

選択肢③は、正しい条文です。電気通信事業法 第十八条 第一項からの出題です。

電気通信事業者は、 電気通信事業の全部又は一部を休止し、又は廃止したときは、遅滞なく、その旨を総務大臣に届け出なければならない。

◇選択肢④の解説

選択肢④は、電気通信事業法 第四十一条 第一項からの出題です。 正しい条文は、以下のようになります。アンダーライン部分が、誤っていた部分です。

電気通信回線設備を設置する電気通信事業者は、 その電気通信事業の用に供する電気通信設備(その損壊又は故障等による利用者の利益に及ぼす影響が 軽微なものとして総務省令で定めるものを除く。)を総務省令で定める技術基準に適合するように 維持しなければならない。

◇最初に選択肢のテーマを押さえる!

法規の問題では、選択肢の文章を読む前にやることがあります。選択肢のテーマを押さえることです。 どのようにして押さえるかと言いますと、このページの問題でいえば破線の四角の外、 本試験の問題の形式でいえば(1)や(2)に続く文章を見ます。ここに選択肢のテーマが、たいていは書かれています。今回の問題では、 「業務の改善命令」、「電気通信主任技術者」、「事業の休止及び廃止並びに法人の解散」又は「電気通信設備の維持」の部分です。 これが①から④の選択肢に、そのままの順番で対応しています。

テーマが書かれているとき、テーマは、条文の「第××条」の前に書かれている条文のタイトルになっています。 電気通信事業法 第二十九条ならば、下のような形です。アンダーライン部分が、タイトルです。

業務の改善命令

第二十九条 総務大臣は、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、電気通信事業者に対し、 利用者の利益又は公共の利益を確保するために必要な限度において、 業務の方法の改善その他の措置をとるべきことを命ずることができる。

このように条文には、テーマが「業務の改善命令」であることが、タイトルとして明記されています。 これが出題の文章にも書かれているのです。このテーマを押さえるたけで、選択肢の条文がかなり読みやすくなります。

また、テーマは解答を導く手助けをしてくれることもあります。たとえば、 第二十九条の条文ではテーマが「業務の改善命令」です。したがって条文の本文には、 「業務」、「改善」、「命令」または「命ずる」、 これらの単語が条文中に入っていると考えるべきです。もし、これらの単語が入っていない文章が出題されたら、 どうでしょうか。たとえば、下のような場合です。

総務大臣は、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、電気通信事業者に対し、 利用者の利益又は公共の利益を確保するために必要な限度において、設備の改善その他の措置をとるべきことを命ずることができる。

この文章には、「業務」が入っていません。中身が「業務の改善命令」ではなく、 「設備の改善命令」になっています。明らかに内容がテーマに反しています。したがって、 この文章は、誤りであると判断できます。

法規の試験では、覚えていることを忘れないうちに解答を済ませようとすると、 問題文を読むスピードが気になってしまいます。しかし、選択肢の前の文章を、ななめ読みしてもスピードは 上がりません。むしろテーマを押さえたほうが、選択肢を読み込むスピードもアップします。 ぜひ、選択肢の前の文章も、丁寧に読んでください。 定番勘違いの、○探しと×探しを逆に取ってしまうリスクも減らせます。

◇覚え方の基本は、大意から細部へ!

選択肢②は、第二十九条の条文の本文ではなく、 本文にある「次の各号」のうちのひとつです。このような場合は、各号をまとめて整理します。 今回のように、列挙されている文章がある場合は、キーワードを選んで、まずそれを覚えます。

第二十九条の第一号から第八号では、キーワードを、たとえば以下のように選びます。 なお、これは一例なので、ご自身の感覚でしっくりくるものが選べれば、他のキーワードでも構いません。

  • 通信の秘密の確保
  • 不当な差別的取扱い
  • 重要通信
  • 料金の額の算出方法
  • 料金その他の提供条件、不当な競争
  • 工事に関する費用の負担の方法
  • 使用の態様
  • 支障を除去、必要な修理その他の措置
  • 料金の額の算出方法

なお、第九項以降もありますが、あまり出題されていないので、省略です。

上のようなキーワードをしっかり覚えてから、細部を覚えてください。 条文の記憶は、大意から細部へが基本です。いきなり丸覚え方式は、記憶力の良い方以外には、 お勧めできません。

◇守れない法律はないはず!

選択肢③は、今回は正しい文章でしたが、下のような誤った形で出題されることもあります。 アンダーライン部分が、誤りです。

電気通信事業者は、 電気通信事業の全部又は一部を休止し、又は廃止したときは、二週間以内に、 その旨を総務大臣に届け出なければならない。

この規定は、本当に守ることができるのでしょうか。

事業者の責任者が存在すれば、 届け出をさせることは可能です。しかし、何らかの事情で責任者が全員いなくなる事態も考えられます。 責任者一同が夜逃げする、事故や疫病で全員死亡する、など、いろいろ考えられます。このような 状況では、届け出をする人がいなくなります。もし「二週間以内」となっていたら、 悪意のない状況にもかかわらず規定が守られなくなり、この条文が形骸化することになります。

このように考えると、「二週間前」などの期限を切ることは、まずあり得ないということに なります。したがって、この文章が誤っていると容易に推測することができます。

第1回で書いたメッセージを、もう一度書きます。常識は対応策のひとつになる、です。